[社会][ゲーム脳]中国でもゲーム脳?

 中国でも森先生の『ゲーム脳』はひとり歩きしているようです。
 既に『電脳大革命』という書籍では、「遊戯脳=白痴脳」という項目で紹介されています。やはり、『ゲーム脳』という言葉はそれ程、インパクトのあるネーミングだったということですね。説明と同時に次のような事例が..

 15歳にして 浙江省の有名大学の一校に入学した天才少年 林君、大学二回生の時にオンラインゲームに出会い、その面白さにはまった彼は10日間、バーチャルワールドに没頭する。その後、周囲のひとたちとのつきあいも悪くなり、結局大学も彼に一年の停学を要求せざるを得なくなった...
 在学5年で卒業した林君は、仕事も見つけず、毎日家でブラブラ。ゲーム三昧の日々を送っていた....結局、療法として、一度にゲームをまったく出来ない状態にするのではなく、すこしずつ調整をしながら精神安定剤なども服用させつつ、治療を行っているという。

ただしこれは、『ゲーム脳』ではなくて、ゲーム依存症による引きこもりの事例がでしょ!しかも筋立ては「都市伝説」みたいだし。なにか、ごちゃごちゃになって伝わってしまっているようです。このような状況が続くのはあまりよくないのですが、この他にもゲームとバイオレンス性に関する議論など、様々な視点からゲームが研究されはじめているのは事実です。ただ、中国における『ゲーム』の社会的位置づけは決して高くないのも事実です。企業そのものはIT産業の精鋭とも思われているのですが、娯楽としてのゲームは既にメインストリームになりつつあるのですが。

【参考文献】 
 石磊 2004 『電脳大革命』 上海社会科学院出版社