次々と問われるゲーム内容のギャンブル性

 カジュアルゲーム大手である聯衆(Ourgame)で運営されているサービスの一種、『財富値』が、ギャンブル性をともなった使用方法がされており議論を呼んでいる。この問題を指摘したのが、行政側ではなく、メディアであったということも注視すべき点だ。人民網の記者とネット上で交友関係に取材し17歳の少年は、1ヶ月で7000元以上の金額の『損失』をこうむった旨を報道している。
『財富値』とは、Ourgame内で活用されるバーチャルポイントであり、花札や、トランプ等実世界で賭け事をともなってプレイされるゲームなどにおいて掛け金の代わりに活用されるポイントのことを言う。二人以上のプレイヤーとプレイしながら、『財富値』を賭けてプレイするということが可能になっている。『財富値』はOurgameのゲームカード(プリペイドカードのようなものだが、Ourgameはもともと無料プレーが可能なので、プレイ時に付加価値サービスを得るときに支払うポイントが入っているもの) 同記事におけるOurgame側からの見解では、

『財富値』はあくまでもゲームサービス上の付加価値的要素で、バーチャルポイントによる、ゲームプレイの質を向上させるためにあるのであり、リアルマネーを伴ったギャンブルを奨励するのが目的で実装されているわけではないと言う。
http://www.people.com.cn/BIG5/it/1067/2964878.html

ただし、このポイントが「どのように使用されるか」は、ユーザー同士の良識に依るといったところが現状だろう。このような事例は韓国でも報道されており、現在1500万人から2000万人のオンラインゲームプレイヤーが存在するといわれる中国市場において、このような問題はより深刻化するのは疑いのない事実だ。ただし、中国ではギャンブル性があるゲーム開発ならびにサービス運営は一切認めておらず、このような一連の動きが最終的に行政側にどのような影響をあたえるかが懸念される。
 一方、ゲーム内容で賭博性のある要素があるとして文化部が緊急に調査を開始する旨が発表されているのが、光通娯楽の携帯用ショートメッセージサービスとの連動企画である、JIN彩奪標 というショートメッセージ専門コーナーでの企画だ。参加者に『傳奇3』のレアアイテムや装備を抽選で配布するなどの特典を与えるなどし、プレイヤーがそのサービスを活用するよう促進している。文化部はもしこのサービスに賭博性が認められるのなら即刻サービス中止を迫るとしている。
 このサービスは、参加者が1から5000までの数字で任意の数を指定し、その数値と、運営側が選出した数値がマッチすれば、その週に景品として発表していた商品をあったひとに提供するというサービス。現在はプリペイドカードが景品となっているようだ。(手法はLOTO6ですが、景品は傳奇3関連アイテムということでギャンブルというか、特典プレゼント企画の感じが強い気がします。ただ、景品として存在しているバーチャルアイテムにリアルマネー価値が存在するのであれば、話は別ということになるが。
これは、海外メーカにとって、非常に複雑な問題を提起している。今後は、暴力性、性的描写に加え、何をもって、「ギャンブル」と見なされるかについても行政との綿密なコミュニケーションの上、コンテンツ開発にいそしむ必要性を示唆しているからだ。以前にも増して行政との蜜なコミュニケーションが必須となることは否めない事実だ。

【参照URL】
Ourgameのギャンブル性について
http://www.people.com.cn/BIG5/it/1067/2964878.html
JIN彩奪票のギャンブル性について
http://www.chinabyte.com/homepage/219001842711920640/20041229/1894426.shtml 

JIN彩奪標公式サイト
http://sms.mir3.com.cn/expense/jcdb.jsp