[反日]中国国内開発のゲームに見る奥深い抗日意識

 もともと中国や台湾での滞在経験があり、友人も多く持つ筆者にとって、あまり話題にしたくない内容なのですが、これだけ反日運動が取り上げれる中、触れずにいられないのが、中国人民に根深く存在する抗日意識です。反ではなく抗となっているのは、日本そのものを否定するというよりは、未だに日本の帝国主義に対抗するとい意識が強いからです。日本人にとって死語であっても日本帝国主義は中国人民の意識の間ではいまだに根深く存在しています。これは教育のせいでもありますが、実際に親から子へと語り継がれてきた面もあると思います。中華民族の特徴として、一族郎党が受けた屈辱は、必ず報復をするというものがあります。『カンフーハッスル』などもそうですが、これでもかといわんばかりに屈辱的な経験を受ける主人公や、その一族、または仲間たちが、多くの苦難を乗り越え、雪辱を晴らすと言った話は非常に多いです。これらが単なる文芸作品以上の中華民族意識における恒久的な思想であれば、日中戦争で、中国の多くの方々が受けた恥辱まはいまだに晴らされていないということになります。
 つまり、中国の方々にとって日中戦争とは『戦争はいけない』とか『すべての戦争は悪』などでは片付けられない奥深い憎しみと、根強い被害者意識をあたえた忌まわしい出来事なのです(実際被害者ですから当然ですが)。
 カンヌ映画祭グランプリを受賞した『鬼が来た』や張芸謀の初期作品である『赤いコーリャン』などを見れば、どれだけの思いを多くの中国の方々が背負っているかある程度分かると思います。また、抗日に関わるゲームも発売されています。『抗日』シリーズと言って、一作目は上海を舞台に、二作目はビルマを舞台にしています。
http://www.epiegame.com
 太平洋戦争を扱ったゲームは米国からも発売されています。問題は、日本の常任理事国入り問題をうけて、『抗日』シリーズの開発スタジオが同ゲームの『上海』版のすべてをフリーダウンロードとしたことです。これは、このチームが、このゲームを単なるビジネス的側面を見て開発したのではない事実を如実に物語っています。ある意味このゲームは中国の方々にとっては「シリアスゲーム」だったのかもしれません。
http://www.world2.com.cn/act/zt/kr/index.htm#