EA、UBI-SOFT株式取得に関するさっくり読み

EAが20日、UBI-SOFTの全株式の約20%にあたる株式をオランダの投資会社タルパ・ベヘールから所得した旨を報道しています。記事によると、これに費やされた総額はおよそ8500万ドルから1億ドルとのこと。

 少なくともEAは、UBI-SOFTを非常に高く評価していると思われます。その評価の基準ですが、多くのメディアではUBIの持つ著名タイトルなどを引き合いにだしていますが、私的見解ではその理由はやはり『中国』、これにつきます。90年代初頭、海賊版の横行で一旦、断念しながらも、最近本格的に中国進出を進め始めたEAにとって、既に強固なディストリビューションネットワークを有し、且つ、中国上海開発オフィスを200名以上の有能で経験豊かな開発人員をそろえ、世界一級の開発工房へと育てあげたUBI-SOFTほど魅力的な企業はないでしょう!(言葉も通じますし)UBI-SOFTの中国における流通システムを頼る外資系企業も多く、今年のChina Joyでも、UBIのブーズには同社以外にTHQやカプコンなど様々な外資系企業のロゴマークも展示されていました。また以前は台湾系大手のソフトスターですら、UBI流通を経由し、中華圏パッケージゲームのキラーである『仙剣奇侠傳』シリーズを販売していたりします。いずれにしても、もし、EAがUBI-SOFTを買収するようなことになったら、同社にとって、最も有益な資産となるのは、『プリンスオブペルシヤ』や『スプリンターセル』以上にUBIの持つ、中国の人的及びネットワーク資産に違いありません。

【参照URL】
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djAPL0515.html