[企業戦略]ガマニアモデルの普及は中国オンラインゲーム産業にどのような影響を与えるか?

 04年のブロードバンド推進協議会オンラインゲーム研究会主催の第2回オンラインゲーム専門部会にてガマニアデジタルエンタテイメントの浅野氏が、同社運営開発の巨商伝は、いわゆるカジュアルゲームではなく、一般的なMMOGなのにも関わらず、参加は無制限で無料。そのかわり、キャラクターが使う様々なアイテムについては有料といったビジネスモデルを推進していると同社の手法を説明し、当時は非常に斬新だった記憶があるのですが、現在、中国においても、そのビジネスモデルを本格的活用しはじめた企業が複数出てきており議論になっています。この議論は中国オンラインゲーム市場の中では中堅的な位置づけに存在していた成都歓楽デジタルが同社が運営している『命運』、『タントラ』、『サバイバルプロジェクト』をすべて無制限で無料とし、その代わりそれぞれのコンテンツで活用されるバーチャルアイテムを有料化することで利益を得るというモデルに切り替えると発表したことから発展しているようです。このようなモデルは韓国ではすでにかなり普及しているようですが、これが、中国で本当に成立するのかは疑問です。それは現在も多くのオンラインゲームパブリッシャーは多大なロイヤリティを韓国側のパートナーに支払っており(ロイヤリティは売り上げ高に対し15%〜30%といわれています)、事態によっては、頭金に加え、毎月のミニマムギャランティの支払いを義務付ける契約もあるかもしれません。特に上記コンテンツはいわゆるカジュアルゲームのような、もともと安価なサーバメンテナンスコストや人件費で運営できるようなデザインにもなっていないはずです。Sina.comの資料ではいままで中国国内の200以上のMMOGタイプのゲームが中国で運営されたとしていますが、このような中、既存のモデルとは違ったビジネスモデルを打ち出そうとしている成都や、ガマニアの戦略も分からないわけでもありません。ですが、メンテナンスコストが非常に高いオンラインゲームというビジネスにおいて、安定した収入が難しいアイテム販売モデルで、如何に安定したサービスを提供できるかが、鍵になってくるでしょう。

【参照URL】
 http://game.163.com/game2002/editor/050126/050126_342758.html
 http://www.gamania.co.jp/kd/
 http://games.sina.com.cn/netgames/
【参考文献】
 新財経(2004年8月)N53