[企業戦略][メディアミックス]『Lovers』のオンラインゲーム化がすすむ万向通信のこれからの戦略は?

 『ポケモン』や『機動戦士ガンダム』、古くは『ミクロマン』と、日本におけるメディアミックスの歴史は長いですが、中国でも昨今、多くのゲームパブリッシャーがメディアミックスを意識した戦略をとるようになりました。もっとも有名なのは金庸という作家の武侠小説を中心としたゲーム、マンガ、アニメ、映画、TVドラマ、そしてテレフォンカードや玩具などの商品群です。ただしこれらはそれぞれの企業が別個に作者またはエージョントと契約を交わして(または勝手に)進めており作品群の戦略性というのは若干少ない印象を受けます。ただ、現在進行中のゲームをオリジナルIPとして大ブレイク中の『仙剣奇侠傳』については、、ソフトスターのホームページにおいてもテレビ番組のプロモーションや各種グッズについての販売促進が行われており中華圏コンテンツ産業における新たな一歩と見受けられます。なお、中国大陸では、先日日本でDVD発売が開始された『Lovers』のオンラインゲーム開発も着々と進行中です。万向通信、という通信会社のオンラインゲーム事業部によって進められています。ただ『Lovers』の公開は04年。DVDも既に販売が進んでおり、このコンテンツがたとえば05年4月に運営開始されてもどれだけの人が興味を示すか疑問です。中国における『Lineage』の失敗は時機を逸してしまったオンラインゲームというのが如何に経営側の負担となるかを如実に顕し、オンラインゲーム業界における教訓的な事例となりました。『Matrix Online』もしかりですが、マルチメディア戦略で他作品群と展開時期が著しく離れてしまったオンラインゲームがどのように消費者に受け入れられるのか?また、受け入れるべく各運営業者がどのような施策をとっていくのか非常に注目されるところです。

【参照URL】
http://pal.joypark.com.tw/paltv/event2/rule.htm
http://thematrixonline.warnerbros.com/web/index.jsp
http://www.woncore.com/shimian.htm